第四章 : 追われる者
 




カーテンに朝の光を遮られた、夜が明ける前みたいに暗い室の中。
「教えてくれ」
不意に、静寂を破る様に一人の少年の声が響いた。
数瞬の沈黙の後、老人の声がそれに答える。
「何をですじゃ?」
「この国の宮廷の事を──」
部屋には二つの寝台があって、その上にそれそれ、人物の影があった。一方の寝台から身を起こし、老人はしわがれた声で問い返した 。
「──宮廷の話と一口で言っても、何から話そうかのう?」
「まず、この国の王とはどんな王だ?」
寝台に横たわったまましゃべりかける少年に、老人はふーむとうなってから答えた。
「ギルシュ王は、豪胆にして巨体で見事な髭を蓄えた、貫禄充分な王じゃ。その声は落雷の様に城に響き、七人の大臣達をしっかり統括して揺るぎない安定した治世を行っている──と言われておるな」
老人が見下ろす少年の顔は部屋が暗いので影の様にぼーっと霞んでいる。
「性格面は?」
「さて、わしは生憎、王とほとんど会話する機会に恵まれ無かったのでな。ただ、娘のアナベルディナ王女が以前、父王はとても分りやすい性格だと言っていた事があるのう」
「アナベルディナ…」
少年はその名前を反芻した。
「姫の事を知っておるのかな?」
「双子だと訊いた事がある──」
「そう、双子じゃ。アスリーの誇る青と赤の薔薇。 花で言えばまだ蕾の頃であるが、咲き誇る前から既に比類無き美しさと称えられている。噂や評判とは元来、過剰に誇張される物だが、噂にたがわず、まばゆい黄金の髪と抜けるような白い肌をした、誠に花の精のごとき愛らしい容姿をした姫君達じゃ」
「青と赤というのはどういう意味だ?」
「姫君達の好んで着ているドレスの事じゃ。二人を見分ける基準にもなる。青いドレスを着ているのがアスリーの奇跡の薔薇と言われる、聡明で賢いアナベルディナ姫、赤いドレスを着ているのが、無邪気で愛らしいその妹セリフェリス姫じゃ」
「じゃあ青いドレスの方が世継ぎの姫なのか?姫達はいつも本当にそれぞれ間違いなくその色を着ているのか?」
「わしの記憶では、セリフェリス姫は赤だけではなく、色とりどりのドレスを着るが、アナベルディナ姫に限っては、いつも青か水色のドレスを必ず纏っておる。セリフェリス姫は明るい華やかな色、アナベルディナ王女は落ち着いた色を好むので、二人の着るドレスの色は被った事がない。ゆえに青っぽいドレスを着ておる方が間違いなくアナベルディナ王女じゃ」
「そのアナベルディナ王女とはどんな王女なのだ?」
少年は熱っぽい声で訊いた。
「よく本を好み、年にしては驚く程に聡く、落ちついた姫君だが、その分、子供らしさや少女らしさにやや欠けた部分がある。それに自負心が強く、少々人の心と言う物が分らないところもあるようじゃな。だが、学ぼうとする心が強いので、正しく導く者があれば、素晴らしい君主になる素質を持っておる」
「素晴らしい君主?」
その言葉に反応して、急に少年がくっくと喉を鳴らし笑い出した。
「何がおかしいのかな?」
「いや」
そこで少年は笑いを収めた。部屋のドアが不意に開いたからだ。
戸口に立っていたのは20歳前後の白金の髪と藍色の瞳を持つ中世的な顔をしたの痩身の青年だった。
「ルペス様──」
開いたドアから部屋を覗き込み、青年は老人に呼びかけた。
その表情は無表情で、瞳は深海のように深く、冷たいまでに澄みきっていた──

その宿屋は表通りからかなり外れた裏道に建っていた。
あまり景気の良さそうではない剥げた看板、文字の欠けた部分を想像力で補って、やっとその名前が「銀の皿亭」である事が分る。一階はどうやら食堂兼酒場になっているらしい。
「ここがルペスのいる宿屋か」
宿屋の外観をジロジロと観察しつつ、アルディナが呟いた。その口調は既にアルディオになりきっているのか男言葉だった。
五人は既に途中で馬を預けて徒歩になっていた。
「今更ですけど、こういうのはやはり兵士とかに任せた方が──」
レミオンが恐る、恐る宿屋を見つめるアルディナの背後から声をかける。
「本当に今更だな、ここまで来ておいて何を言ってるんだ?レミオン」
王女は冷笑した。
だが昨夜の自分の失態に動転して曇っていたレミオンの目もここに来てすっかり晴れてきていた。姫の機嫌を損ねてしまうより、彼女を危険から遠ざかせる事の方がずっと優先させるべき事である。そういう意味でルーファースが最初から言ってる事がもっとも正しい。
「レミオンの言う通りです。今なら間に合います。こういう事はディアス様とか専門家に任せましょう。その方が確実で安全です」
ルーファースもレミオンの横から諦め悪く、再度、王女を説得にかかる。両者の言葉を聞き、つくずくこの二人を連れて来て良かったと王女は思った。もし置いて来ていたら城からの出迎えが来るのは必死だっただろう。
「うちのたるみきった兵士なんかアテにならない、ルペスを無事に救出できるか分ったもんじゃない──それに」
アルディナはにっこり笑ってセルティスを見た。
「たまにセルティスにも運動させてあげないと」
セルティスは苦笑した。
「気を使ってもらって悪いな、姫君」
「微力ながら、私もお手伝いします」
ファリスがセルティスの肩に手を乗せ言う。
わずか13歳にしてファリスの剣技は、レーベル門下では一にニを争う腕前であった。 その少年らしいしなやかな腕から繰り出される剣筋は誰よりも素速く鮮やかで、師匠であるレーベルも彼を天才と認めている。
そんな二人の方へ視線を向け、ごっくりと唾を飲み込み、レミオンが、
「僕も──」
勇気を振り絞り言いかけた瞬間──その言葉を制し、
「レミオンとルーはアナベルディナ様を守っていてくれ」
ファリスが二人の顔を交互に見つめて言った。
「分った」
ルーファースが頷く。
行き場を失った言葉を飲み込み、唇を引き結んで、レミオンも、首を縦に振った。
どうせ自分が加わったところで、二人の足手まといになるだけと言う事は分っていた──分っていたのだが──それでもどうしようもなく、やりきれない思いがレミオンの胸にくすぶる。

「ファリス様」
その時、声がして、一人の男が姿を現し、一行へ近ずい来た。
見張りを頼まれていた者がファリスに気がずき、報告する為に現れたのだ。
「どうだ、変わりはないか?」
ファリスが問いかけると、男は畏まって礼をしてから、状況の説明を始めた。
「はい、それが──今丁度、使いの者を出したところだったのですが──行き違った様で──」
「使いの者? と言う事は何か変化があったのか?」
ファリスが目を見張り、隣りの王女も眉をひそめた。
「はい、実はルペス様はつい先刻、弟子のお方と二人、宿を出ました」
「宿を出た?」
アルディナが驚いた声を上げた。
「どういう事だ?」
ファリスに問われ、男は言いにくそうに言った。
「多分、方角からして、城へ帰られたのかと──」
「これは久しぶりの運動をしそこねたな」
背後で聞いていたセルティスが、わざとらしく残念そうな声を上げた。
「なんだ、じゃあ別に捉えられていたとか、そういう訳ではなかったんですね」
レミオンがほっと胸を撫で下ろす。
「良かったですね、アルディナ様」
ルーファースも安堵の笑顔を浮かべて王女を見た。
「きっと、古い知人だったのでしょう」
レミオンが勝手に結論ずける。
王女は憮然と、納得出来ない表情で宿屋の窓を見上げた。
「怪しい者じゃないなら、なぜ、こんな昼間に窓のカーテンを閉め切っている?」
アルディナの言う通り、 男達の泊まる宿屋二階の部屋の窓は、昼だと言うのにぴったりとカーテンで覆われていた。
ファリスが「ご苦労だったな」と部下にねぎらいの言葉をかけて帰る指示を出してから、
「さぁ、でもルペス様が開放された以上、ここには用はありませんね」
振り返って言うと、アルディナは唇を尖らし、「そうだな」と、溜息まじりに漏らした。
そこは城へ帰ってルペスにたっぷり事情を聞くしかない──
一同がすっかり帰るムードになっていたその時──
「そうでもないかもしれないぞ」
ただ一人、道の向こうを見渡しながらセルティスが言葉を発した。
「え?」
「?」
皆の顔が一斉にセルティスの方へ向けられ、その視線を辿ってゆく。
──と、はるか通りの先から、物々しい様子の男達が連なり一固まりとなってこちらへ歩いてくるのが見えた。
「何? あの団体?」
アルディナが不審そうに視線を向ける。
「うちの兵士ではないですね」
ファリスの瞳に緊張感が走る。
人数にして十数人、道の向こう側からこちらへ向けて、体格のいい男達が、一様に焦げ茶色のマントを翻しこちらへ歩いてくる。
「ひょっとして、姫を狙う刺客──」
ルーファースが不吉な台詞にレミオンがビクッ反応とした。
「そんな」
「私を?──まさか」
アルディナは小首を傾げて呟いた。確かに自分を殺すとしたら、城からお忍びで出ている今がまさに絶好の機会ではある。
「取りあえず、念の為、彼らが行き過ぎるのを隠れて待ちましょうか?」
ファリスが提案すると、セルティスが素早く視線を巡らせ、
「あそこは?」
宿屋の斜め向いの建物の陰を顎で示した。
「うん」
アルディナは頷くと、素早く動いた。
道路を横断し、建物に挟まれた空間へ身を滑り込ませると、後ろを振り返る。「レミオンとルーファースも早く」王女に呼ばれ、あわてて、レミオン、ルーファースも壁と壁の隙間に飛び込んで来た。最後にファリスとセルティスがほぼ同時に入って、入り口を塞ぐ様に並んで立った。
「剣を振るのにぎりぎりの幅だな」
「ですね」
セルティスとファリスが瞳を交わし合う。
建物と建物の間は幅は人間三人並ぶのがやっとぐらいの幅だった。
「男達は?」
レミオンとルーファースの脇を通り、アルディナがセルティスとファリスの間から顔を突き出し、通りの様子を覗き込む。
「もう、すぐそこまで来てます」
ファリスの言う通り、一団は既に宿屋の手前まで迫っている。
「何をしているんですか?!こんなところに隠れないで、早く逃げましょう!このまま進めば向こう側の道に抜けます!」
ルーファースがアルディナのマントを掴んで引きながら、悲鳴に近い声で訴える。
確かにルーファースが指差す方向には人々が行き交う向こう側の通りが見えていた。
「そうですよ!あの男達に追いつかれてしまいますよ!」
レミオンも恐慌状態で叫んだ。
「──二人とも落ち着け、様子を見て、危なそうなら、すぐにそうするから、いざとなったら、セルティス達が敵を防いでる隙に、あっち側に逃げればいいだろう?」
「なぜ刺客が来るのをわざわざ待つんですか?」
「レミオンの言う通りです。一刻も早く遠くへ逃げないと」
アルディナはそれ以上言わず、二人を無視して、近ずいて来る男達の様子を観察した。
たとえ本当に自分の刺客だとしても怖くは無かった。
死が怖くない訳ではない。セルティスやファリスの腕を信じていても、敵は大人数だし、足手まといの二人の大臣の息子もいるし、どうなるか分らない部分もある。
それでもアルディナには不思議に自信があった。自分はこんなところで死ぬ訳が無いという──それにどうも、男達が自分を殺しに来たという事実に対しいまいちピンと来なかった。
「アルディナ様、お願いです──」
いよいよ男達が至近距離に近ずき、泣きそうな声でレミオンが懇願したその時──
「残念だな姫」
セルティスが口元を歪めて言った。
「そうだな、残念な事に、私の刺客じゃないみたい」
アルディナも苦笑して言う。
「え?」
レミオンとルーファースが同時に声を上げる。
男達は、宿屋の前に差し掛かると、一斉に剣を抜いて、アルディナ達が居る方角には目もくれず、一方は戸口の中へ、もう一方は脇の小道へと、二手に別れそれぞれなだれ込んで行った。裏口と表口、両方から宿屋の内部を攻めるらしい。
「ルペス老の知人に用事があるみたいですね」
ファリスが鋭く呟く。
男達が入って10秒もしないうちに、中から悲鳴や怒声、家具が倒れる激しい音が聞こえてきた。
「ちょっと見て来ます──セルティス様、アルディナ様を頼みます」
「ファリス──?」
女性の悲鳴に反応したファリスが、アルディナが止めるより早く、建物の陰から飛び出して行った。
開いたままの宿屋のドアの中へ、あっと言う間に緋色のマントが消えてゆく──その背を見送り、残されたアルディナが隣りのセルティスに声をかける。
「これはどういう事だと思う?セルティス?」
「さぁ──異国の者同士のいさかいか何かではないか?」
「そうだな、いずれにしても、私には関係ないし、ルペスも無事に城へ帰った様だし、もうこの場に用事など一切ないのだが──」
アルディナは言葉を一端そこで切ると、師匠の顔を見上げて、はっきりした口調で言った。
「ファリスは失うにはあまりにも貴重な人材だ」
「それは命令と取っていいのかな?姫よ」
「私の守りはレミオンとルーファースで充分だ」
「分った」
そう言うが早いか、ファリスに数十秒遅れて、漆黒の髪を翼の様になびかせ、セルティスも建物の影から飛び出して行った。
「セルティス様──?!」
アルディナの背後でレミオンが茫然とそれを見送る。
ルーファースもアルディナのマントを掴んだまま、状況が理解しきれず、混乱した表情で立ち尽くしていた。

「さて──」

そんな二人を振り返り、
「取りあえず、道の向こう側で待ってようか?」
アルディナが意外にも思える発言をした。
「あ、はい」
呆気に取られ、ルーファースが生返事をする。
「でも、いいんですか?」
レミオンがチラリと宿屋の方へ視線を走らせながら言った。
「私達がここで見てたってしょうがないだろう」
「それはそうですけど」
レミオンは口ごもった。正直、宿屋へ飛び込んでいったファリスの身が気になってしょうがなかったが、ここに居て、万が一、この騒ぎのとばっちりが来ても困る──王女を取りあえず、安全な位置に退避させなければ──。
「ほら、そうと決まればさっさと行こう」
手をひらひらさせて、今度はアルディナが向こう側の通りの方へ歩いて行く様に、進行方向から見て前方に居る二人を促す。
素直にレミオンとルーファースはアルディナの先に立って歩き始めた。
二人が歩き始めるのを確認して──アルディナは立ち去る前の最後の一瞥を投げかけるため宿屋を振り返った──と、丁度、その時、二階の窓が開き、何者かが中から出て来て窓枠にぶら下がる様子が見えた。
「──!?」
アルディナは小さく息を飲んだ。
その人物が地面に飛び降りた瞬間、着地した反動で被っていたマントのフードが落ちて、一瞬、黄金の髪と少年の横顔が見えたからだ。
「──!?」
(まさか)
再び頭を隠すようにフードを被り、素早く少年が走り出すと同時に、入り口から二人の男達が飛び出して来て、その後を追っていく様子が見えた。

「アルディナ様?!」
ふと、ついて来てる筈の王女を振り返ったレミオンが悲鳴を上げた。
ルーファースも背後を見て驚いて叫んだ。
「えっ?!」
目を離したのはほんの一瞬だったのに──先刻までそこに居たアナベルディナの姿が忽然と消えていた──。

王女は気がついたら走り出していた。
(まさか──あれは──)

少年は追って来る男達を振り切ろうと、ひた走った。
その足は、表通りの方向と逆の方向の道を選んだせいで、益々入り組んだ裏道に入り込んで行った。
「──?!」
細い路を夢中で右へ左へと走っていくうちに、 いつしか少年は塀に囲まれた袋小路に迷い込んだらしい。
曲がった目の前は壁だった。あわてて少年が振り返ると、道を阻む様に二人の男が抜き身の剣を構え立っていた。少年は壁に背中を着き、息を飲んだ。まさに 絶対絶命である。
「逃げ場がなくなりましたな。ジュナ様」
男の声には獲物を追い詰めた喜びが満ちていた。
少年は剣を抜いて、切っ先を男達の方へと向けた。
背後は壁、唯一の開けた道を塞がれていては── 一かバチか相手と切り結ぶしかここを切り抜ける路は無い。
「貴方にはここで死んで貰います。必要なのはその首だけですからな」
一方の男が間合いを詰めながら言った。
「誰がお前達になど殺されてやるものか」
──少年が吐き捨てる様に叫んだのと、片方の男が剣を振り上げ飛び掛って来たのは、ほぼ同時だった──

「──っ?!」

──と、急に切りかかろうとしていた男がうめいて、剣を手から落とし、身を崩した。
ドウと地面にうつ伏せに倒れ込んだその背には短剣が刺さっていた。
「?!」
驚いてもう一人の男が背後を振り返ると、間髪いれずその顔面に剣先が浴びせられた。
男は顔を抑えて転げまわった。
仲間が助けに来たのかと、少年が期待の視線を前方に立つ人物に向けた。
だが、そこに居るのは見覚えのない、マントを着たただの小さな子供一人だけだった。
それは変装したアナベルディナの姿だった。
──考えるより先、少年の姿を見た瞬間、衝動的にその後を追っていた──
そんな自分の行動に驚きながら、アルディナは肩で息をして、今しがた男の顔を切りつけたばかりの剣を片手に持ったまま、茫然と目の前の少年を見つめた。
逃げている間にフードが落ちて、少年の金髪とその美しい顔がすっかりあらわになっていた。
「やはり──」
忘れもしない──あの玉間での邂逅──
(やはり──そういう事だったのね──)
アルディナを見返す少年の目は澄んだ紫水晶の色だった。
ずっと引っかかっていた、なぜ第三大臣が首を切られただけなのに、少年の顔がぐちゃぐちゃにされて、目までえぐられていたのか──
今思えば、その答えは単純だった。少年の死体が別人の者だったからだ。
つまり第三大臣邸に入った賊は、大臣の命ではなく少年の救出が目的だった──。
替え玉は少年に捜索の手が伸びない様に用意されたものだろう。
そこまで謎が解けて、アルディナの中に新しい疑問が沸き起こる。
その仮定が正しいとして、そこまでして助けられたこの少年は何者だろう。
さらになぜ追っ手に追われている?
(だが、今はそんな事を悠長に考えている場合ではない)
「こっちだ、来い」
近ずくと、アルディナは呆気に取られている少年の手を掴み、強引に引いて走り出した。
「お前は誰だ?」
「お前こそ何者だ?」
アルディナの問いに答えず少年が叫んだ。
「なぜ、俺を助ける?」
「そんな事は──」
アルディナは自身が一番訊きたい事だった──
(こっちこそ知りたいわよ──私は一体何をしているの?)




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